タリスカー 10年
生産地:スコットランド - スカイ島
熟成年数:10年
種類:シングルモルト
評価とテイスティング
評価:3.0
コスパ:5.0
【評価・コスパに関して】
味わい自体は☆3なであり、☆3の理由となる秀でた点は前述した「ピート」「甘さ」「スパイシーさ」の3種の圧倒的なバランスの高さ。それ故に、3000円代後半の価格に対してコスパが圧倒的であり、コスパの観点では最高点。必ず家に一本は常備しておきたいボトル。
【香り】
穏やかなピートと麦芽の甘さ。これらが合わさってやや潮の磯っぽい香りになっている。他にオレンジやレモンのような柑橘系の酸味感のある香り。
【味わい】
程よいスモークと甘さ。まずスモーク感が押し寄せるが一瞬。その後舌の上で蜂蜜の様な甘さが広がる。唐辛子の様なピリピリとしたスパイス感も同時に広がる。非常にマイルド。余韻は短く、スッと味わいは消えていく。
ピート、蜂蜜系の甘さ、スパイシーさのバランスが非常に高い。スモーキーさとボディはミディアム程度であり、非常に飲みやすい。
個人的にはよく言われる爆発的なスパイシーさまではタリスカー10年からは感じずに、非常にマイルドなボトルだと思う。(同じタリスカー 57°ノースやセレクトリザーブは爆発的なスパイシーさがあり、非常に飲みごたえがあるのに対して)
このボトルの意味合い・ストーリー
【ボトルの位置づけ】
余韻の引きが早いので、じっくりと腰を据えて味わう酒とはならないが、圧倒的なその完成度の高さと値段の安さからくるコスパが最高のオフィシャル(蒸留所・蒸留所の親会社がボトリングしたウイスキー)。タリスカーとは何か?そのベクトルを基準としてしっかり表現しており、ブランドのスタンダードとして非常に秀逸。
また、ハイボールが非常に美味しいので、ぜひ一度ハイボールにして飲んでみてほしい。ピートが程よく鼻に香るハイボール。さらには(燻製された)胡椒を振りかけるハイボールはあまりにも有名なので割愛(「タリスカー ハイボール 胡椒」でググってください)。
【相対比較(同ブランド)】
ストレートでじっくり味わうにはやや物足りなさがある。同じ金額帯のゲームオブスローンシリーズのタリスカーセレクトリザーブ(US$ 40~50)や値段は上がるがタリスカー57°ノースの方がパワフルさ、唐辛子っぽい強烈なスパイシーさがあり、余韻の長さやハイプルーフ(高い度数)が好きな私としてはそちらの方が好み。18年は10年をそのまま熟成させた方向性なので、10年が好きな人は18年も飲んでみると良いかと。
【相対比較(異ブランド)】
また、4000円以内の価格帯としてはボウモア12年とともに最高のコスパであり、この価格帯でのベストなボトルの最上位の1つ(個人的には最も好きな1本の1つ)。ピートが効いている他のアイラ系と一線を画すのがタリスカーの個性となる胡椒や唐辛子のようなスパイシーさであり、この個性から非常に優れたボトルとなっている。また、タリスカー蒸留所はディアジオが資本に入っているために安定して、高品質な製品提供をしていることも非常にありがたい。
【備考】